2014/08/09

ワールドグランプリ2014 予選R イタリア戦

とりあえず、最初の2セットのサーブレシーブをまともに返せないっていう、昨年のWGP決勝Rの伊戦と真逆の展開に何故なったのかを考えると、勿論、キリケッラ等のサーブがキレッキレッな上に、狙い所も良かったってのが一番だとは思います。ただ、サーブレシーブをする選手に中道が(眞鍋さんの方針のせいで)気持ち良く打たせることが出来ず、ノせられてないっていう攻撃面からの影響がかなり大きいと感じました。

木村には相変わらず速くて低いトスでしたし(早く改めないと不味いので、このブログでは危険トスと呼ぶ事にします笑)、逆にその危険トス愛好家の新鍋には何故か遅くて高いっていう・・・何が何だかよく分らない状態。ただ、その危険トスを打ちこなして、昨年のWGP予選Rで決定率1位になった新鍋ですが、決勝Rでイマイチだったのは、速さのせいで打つコースが限定的だったからとも言える訳で・・・結局、新鍋がどういう選手になりたいのかによるのカモ。この辺はよくコミュニケーションを取る必要性を感じます。新戦術とやらでは、主に後衛時にセットもするわけで・・・重要だけど、基本的に美味しく無い役割が増えてるだけに、攻撃面で変なストレスを溜めさせたくないところ。

で、グダグダだった最初の2セットはともかく、3セット目からは面白かったですね。
正直、オーダーとかあまり気にして見てないのですが、たぶん久々のフロントオーダー(MB2)で若手中心によく頑張りました。

  長岡 内瀬戸 山口
  大野 石井  宮下

特に、宮下がサイコーっす!セットする選手の好みに合わせて、オーバーでもアンダーでも完璧に近いセットを供給していました。コイツはコー、アイツはアー、コイツがアーな時はコーで、アイツがコーな時はアーみたいな・・・味方の特徴をハッキリと捉えたトスワーク。サーブレシーブの安定に不安のある石井が、江畑の代わりから、木村の代わりでも、バシバシ決め、ちゃんと返球出来てたのは、宮下のおかげでもあるはず。アメリカ戦でも見受けられましたが、「老眼の眞鍋さんは無視して大丈夫」と言わんばかりに、石井にはフワッとセットしてましたよね。そして、まだ「岡山を日本一に」>「全日本を世界一に」なモチベーションなのかなと思いきや、このインタビューを読むに変わったようですし、4セット目あたりであった、「アタックがネットを超えてない?いや、ブロックアウトだろ」みたいな場面で、副審に「いやいや、テメーはちゃんと見てたよね?!」と満面の笑顔で必死に詰め寄って行ったのは何かとても素敵でした。ただ、今シーズン全てにおいて言えることですが、1セット目みたいに緊迫した場面で入るとガチガチで、ダメモト感が漂ってる時にはノビノビってのは、正直何とかして欲しいです(笑)。

あと、何だろ・・・泥酔観戦だったのでよく覚えてないですが、3、4セット目あたりのアリゲッティとかに対する山口のコミり方なんかは本職の強味を感じましたし、他の選手よりも1、2歩後ろから前進ジャンプをしてる中道のブロックの工夫は全選手が見習うべきカモと思いますが、相手アタッカーに得意なコースよりブロックが低い所を狙うって意識が以前よりも出て来てる気がするので、ブロックの重要性を再確認した試合でもありました。

とにかく、今日は「全試合それで行けよ」って感じで木村や江畑のアドレナリンが全開となる中国戦。勝つも負けるも、復調の兆しを見せて欲しいですね。ガンバー。

2014/08/03

ワールドグランプリ2014 予選ラウンド トルコ戦

あ〜・・・・。準Aチームくらいのトルコにストレート負けって・・・。実況によれば通算成績6勝4敗だそうですが、自分がある程度バレーを真面目に見出して以降、Aチームがトルコに負けたのって初めて見たカモ。だからと言って、即「糞戦術が!」と言い切る早計は避けたいですが、久々に大画面で観れて「いい加減にしろ」と言える事が一つ。そう、それは、今までごく一部の選手以外に良い事など一つもなかった、速い(が故に低くなりがちな)トスの4、5度目の復活です(呆)。

リアルでそうなってるかはともかく、「ハルカの手にボールが入った時にはもうジャンプしてる」(長岡談)・・・こーいった選手に対して、セッターが直線的な軌道でギュンとスピーディーに最高打点にセッティングってのは、そうしないと間に合わないはずなので、自分はアリと思うんですよ。セットが低くならず、アタッカーのコースの打ち分けが可能である限り、頑張って下さいって感じだし、実際に長岡は絶好調でしたね。

でも、木村や江畑といったポイントゲッターがそんな感じのセットで調子を落とし、オリンピック出場が危ぶまれたり、余裕で勝てる試合を落としたり、ってのは今まで何度も何度も経験済みじゃないですか。ブロッカーやレシーバーを見る時間的余裕がなさすぎで、たった一枚のブロックすら抜けなくなり、抜いてもトルコ・レベルのレシーバーに安々と捕られてる状態。たまに眞鍋さんがどこかの国から送り込まれて来た工作員に思える時がありますよ。

少なくとも、この二人だけは速さよりも、早さを追求するべきなんじゃないでしょうか。去年、攻撃面での主な戦術として、ファーストテンポのシンクロ攻撃(同時多発位置差攻撃)があったと思いますが、あの二人が常にガチのファーストテンポ(セットアップ前に助走を開始し、セットアップと同時くらいに踏み切る)だったかと言えば、自分にはそう見えませんでした。セッターを信じて、もうちょい早いタイミングで助走を始めるだけで(出来ればもっと長目の助走を取って高く跳ぶ)、「木村沙織の高校の先輩である」大山加奈さんが言うように、セットアップ後に動くリードブロッカーよりも相対的に早いタイミングでアタッカーが踏み切ることが出来、勝負になるわけですよね(セットはフワッと)。「非常識を常識に」って言葉の響きはカッコ良さ気ですが、常識をちゃんと試してみたかと言えば、まだなわけですし、もし常識を知らないのであれば、非常識なことも出来ないんじゃないでしょうか。

試合内容的には良い所がほとんどなかったので特に書く事も無いですが、個人的に心が折れかけたのは、第2セットの4−7の場面。ラリーが続く中、速くて低いセットのせいで、江畑のバックアタック(スコーピオンに続く新怪用語、マッハ、ジェットって一体・・・笑・・・今後の練習次第で決まるようになるなら否定しませんが、変な昭和の漫画読み過ぎなネーミング・センスは相変わらずですね・・・)が、もう今シーズンで既に2、30回ほど見たフェイントとなったわけですが、その切り返しが、やられてなくてもやり返すと言わんばかりのギョズデの全力助走バックアタックで4−8に。やられたらやり返す(同じ攻撃で)も日本人と外人のアタックの球威の差から倍返し感があるので嫌なんですけど、ヤってもいないのにヤリ返されると、何か「お前らよりもウチのチーム力の方が上」ってことを誇示されたような気分で落ちるんですよね。そのせいか、たしかそのタイムアウト明けに入った宮下がそれなりに高さのあるセットを意識してゲームの流れを変えようとするも、一気に8点差まで開きました。

また、連続失点と言えば、3セット目の7連続失点とか・・・長くなったので一旦終了しますが(笑)、多分ザルブロックのせいですね。↑のような変なバックアタックと似たような発想のクイックのせいで日本人MBのクイックが決まらずに、現状があるのだしたら、なんか皮肉的な気分になるっていうか、日本人指導者って大丈夫か?と不安になりました。とりあえず、5連敗くらいまでは我慢しますが、駄目だったらいつものよーにアッサリと捨てて欲しいですね。

2014/07/24

江畑幸子選手がRCカンヌと基本合意

いや〜驚きましたね。ニュースを見た時、何故か鳥肌が立ちました(笑)。RCカンヌって言えば、ヨーロッパチャンピオンズリーグで毎年ファイナル6、4常連の名門中の名門じゃないですか!?昨日、チラッと書いたように、それほど決定力があるわけではない日本人WSが海外に行くならサーブレシーブの安定とセットだろう、という思い込みがあったので尚更ビックリです。江畑の能力を見くびるわけでは全くないですが、入団がほぼ決まった今でも、攻撃専門の選手ならもっと他にいるのでは?とか思わないでもないくらいですし。

ただ、カンヌはわりと組織立ったチームですから、攻撃面での責任感の裏返しとは言え、主にレシーブをサボりがちになって来た江畑でも、何気に向こうから見れば、規律を重んじるタイプに見えるのかもしれませんし、ヨーロッパのチームにしては機動力を重視してる所が見受けられるチームですので、単なる大型選手なんかよりも合ってると言えば合ってるのかもしれませんね。それと、たしか、中国人監督なので、毎回中国戦で当たりまくる江畑を「コノヤロー」と思いつつも、仲間にしたら心強いだろうなという風に見ていたのカモ。それか弱点探し目的(笑)。

あと、カンヌはメンバーも来シーズンからガラリと変わりますが(アントニエビッチ、ラシッチ、チェントーニ等が移籍)、あの1点決まっただけでも3点くらい入ったような喜び方をする明るいチームカラーが残っているなら江畑向きと思います。ただ、フォーセットを攻撃専門で考えてるなら、出場機会は減りそうで、試合勘の鈍りが懸念されますね。前向きに考えれば、サーブレシーブが出来ないと試合に出れないというプレッシャーを与える良い機会と見ても良いのかもしれません。

とにかく、思わぬ栄転のエバターさん、おめでとうございます。思ってたよりもずっとコンシャスで素敵です。そして、戦力ダウンは火を見るよりも明らかなのに、無理矢理引き留めなかった日立リヴァーレ関係者の皆様にも拍手であります。おかげで楽しみが増えました。

2014/07/23

気になる選手 2

石井優希選手(ウィングスパイカー)

この選手のプレイスタイルについては、よく狡賢いとか腹黒いとか、「言われてもあまり嬉しく無いだろうな」って形容が目立ちますが、良い言い方をするなら、どこかの男子バレー弱小国が標榜するも、全く出来てなかったスマートバレーを体現してる選手なのかなと思ってます。

特に、打ち難いセットであったり、ガッツリ二枚付かれて決め難い状況では、強打でも軟打でも相手のファーストタッチを乱して、切り返しの攻撃力を極力削ぐことを先し、次のラリーに望を託すっていうような名は体を表すアタック戦術(?)が気に入ってます。レシーバーの重心とかを良く見ていて、どこにどう打てば効果があるかの判断が良いんですよね。また、打ち難いセットの後はセッターからのケアとして二連続で打てることが多いですが、例えば、一発目がコート後方へのプッシュだったら、二発目は同じレシーバーの手前に強打を叩き込んだりっていう感じで一発目が布石だったりします。・・・何となく女流棋士に感じる萌えと近い、見ていて楽しいバレー。木村にも似たような魅力はありますが、あれはどっちかというとサオリンの直観って感じなので、真似るのはたぶん無理。でも、石井のは普通に見習えるプレイなので、彼女のスマートバレーがチームに伝染すれば、相手から見てより嫌なチームになるでしょうし、ゲーリーも成仏出来るのではないでしょうか(笑)。

また、今の久光でプレイするのは時間と才能の無駄って気がするので、土壇場での勝負強さを身につけるべくブラジルあたりにでも渡って武者修行をして来て貰いたいのですが、そのためにはサーブレシーブの安定が課題でしょうね。現在は江畑の控え枠での起用が目立ちますが、出来れば新鍋に下克上をかまして欲しいなと思います。個人的にサーブレシーブはザックリでいい派なのと、グラチャンを見るに木村との2段の相性が打つのも上げるのも良かったので色々と期待している選手であります。

2014/07/13

エリツィン杯 ロシア戦

う〜ん・・・フルセット負けですが、見応えのある試合ではありましたね。
とりあえず、3戦見て顕著に感じるのは佐野の復帰効果。「やられた」と思った瞬間、余裕で待ち構えてる佐野(笑)、コート上の急所を見つけるや、すかさずダッシュで埋め、積極的なスパイクカバーでチームを守り立てる・・・リベロはチームの心と言いますが、最年長にしてあれだけ頑張る佐野の姿を見たら、他の選手もサボるわけには行かず、その結果、見事にしつこいバレーが甦ったと思います。去年がそうじゃなかったとは言いませんが、今と比較すれば決められ方が淡白だったことは否めません。

また、お帰り組では、山口にもエンジンがかかってきました。序盤からロシアのスプレッド・シフトをB、Cクイックでサクサク切り裂きゲームを作ってくれましたね。中道が完璧に合わせてるようには見えませんでしたが、むしろちゃんとセットされてないボールを如何に打つかを楽しみ、そして、新技開発に繋げて行くという怪しい境地に達してる選手なので、セッターなんて基本的に誰でも良いんでしょう。逆に、自らセットして打つサーブはチャンスボールとして有名ですが、それなりに攻めようとする意識が感じられるようになってますし、フリーボールの返し方にも悪気が出て来て良い感じです。

そして、サーブで言うと、エースよりもミスが明らかに目立っていたジャンプサーブをジャンプフローター(チーム方針の模様)に変えた新鍋も、4本エースも6本ミスっていうネスリハン状態で余計悩ましい感じになりましたね(笑)。あと、セカンドセッターとしてはちょっとどうなのかなと。B型だからなのか(偏見)、アタシ中心主義の監督に教わってるからなのか、どうもレフトへのセットが自分好みのネットに近くて低目のやつになりがちで・・・昔から木村とかが決めてるのってあまり見た事ないです。そういう意味ではハンドリング良さげな石井や木村と長くやってる高田でどうなるかってのも(WSにやらせる是非はともかく)今後試して行って欲しいですね。

あと、そういった選手間の連携も・・・まーロンドン五輪組が5人もいたので当たり前ですが、悪くなかったと思います。ロンドンで見せた、一体感がありすぎて、一人の人間が分身の術でも使ってるかのように見える、お互いがお互いを理解し合ってる連携ってとこまで早く持って行って貰いたいですね。それと、昨日の試合を見て感じたのは、荒木不在の今、相手に威圧感を与えるようなムードメーカーが欲しいってことで・・・それを担えるのは案外迫田なのかなと自分は思ってます。バックアタックが決まりだした時のあのヤバ過ぎる眼光の鋭さ、何気に一番えげつない気がするアタック時の雄叫び等・・・チームにイケイケスイッチを入れてくれる選手が必要。長岡型MB1も良いし、むしろこっちの方が都合が良い面も多そうですが、彼女、弱気が表情に出過ぎな所があるので、余計そう思ったのカモ。まぁ、期待してる選手の一人なのですが。

2014/07/10

エリツィン杯 ブルガリア戦

毎年、この時期はどんな合宿をしてるのかって情報がほぼない状態で、何か我が子を怪しい託児所に預けてるような不安感と、多少怪しいくらいの方がタフに育つカモっていうような妙な期待感が交錯するわけですが、昨日の試合を見る分には選手によって明暗が分かれちゃってる感じですかね。

明の方だとキャプテンの木村はマズマズだったんじゃないでしょうか。何がそんなに楽しいのかってくらい、いつも以上に満面の笑顔(笑)。そしてエースでありながら、自分のプレイが仲間へのお膳立てとなった時の喜び方が大きいタイプなので、攻撃枚数減ってるじゃねーかとツッコミつつも、新鍋と共にセカンドセッター化してるのは新戦術の一環なのかなという思いと共に、楽しみながら見てました。ただ、二段を打つのが上手な選手にわざわざセットさせるってどうなんでしょうね。

また、攻撃面でもあれが最高打点なのか、セットの速さのせいでブロックアウトの取り方が窮屈に見える時がある、といった疑問はあるんですけど、キレの良い助走からなかなか良い感じで打っていたと思います。去年に比べてトルコリーグでの出場機会に恵まれた割に体重が3キロほど増えているのは筋肉がついたってことでしょうし、実際球威もついてきた気が。

で、暗の方はもう完全に江畑ですね。なんか去年頃から江畑には勝手に負のオーラを感じていて、「まぁ腰痛のせいかな」くらいのもんだったものが、治ってからも何かパッとせず深刻になってる印象。自分内の問題なのか、セットの問題なのか・・・早く解決しないと、いくら勝負強さ抜群とは言え、選手としての総合力で勝る石井あたりに捲られる可能性もあります。

あと、戦術面では真ん中からのバックアタックは全員bick計画進行中のようですが、いくらなんでもセット低過ぎです。入るタイミングが遅れてることもあるけど、あれではビックってよりヒックですね・・・。ファーストタッチは高くユッタリとは継続されてますので、ちゃんとしたコンセプトで実現させて貰いたい所。

最後に、新戦術に関しては誰もが予想してると思いますが、眞鍋さんから出た話を総合すると、ポジションを流動的にして、全員攻撃・全員守備というようなトータルフットボールのバレーボール版をやろうとしてるのかなと(NECが標榜してた気もしますが)。プレイの精度を重視するあまり、〇〇が正確だから〇〇出来ないのには目を瞑る、では銅メダルまでが限界だと思いますし、器用貧乏なチームも困りますが、バレーボール選手としての総合力を重視した選手起用にシフトしていくのカモと思っています。そう考えると、しつこく復帰を請われた佐野からすれば「ちょw」って感じになるでしょうが、リベロ抜きも一興ですね。まぁ、策に溺れる事なく、面白いバレーを見せてくれるのなら、ぶっちゃけ何でもいいんですけど。