2014/08/22

ワールドグランプリ2014 決勝R トルコ戦

去年のWGP中国戦の前の江畑の「五輪がマグレだったとは思わせない」なんて力強い言葉は頼もしかったですが、個人的に「予選Rはマグレだったと思わせたい」相手ナンバー1がトルコだったので、今回の結果はサイコーです。というのも、キャプテンのギョズデは非常に優れた選手だとは思うのですが、ネットに突っ込んでくるラフプレーが最悪だし、大量リード時の余裕シャクシャク顔が何故か無性に癪に障るのです(笑)。

で、トルコにクイックという技があることを忘れるくらいサーブが効果的だった2セット目中盤あたりまではどうでも良いとして、話はその後あたりから。まずは・・・木村がいつもの如く気持ち良く打てないボール処理係みたいになってて可哀想だなと思うも、いつもの如くそっちの方が決まるっていう例のパターンが多かったですね。悪球の岩鬼みたいな感じ。で、今シーズン初に近い気がする長いラリーを制した12−12時の1点は川合の言うように重みのある1点だったと思います。選手皆、相手コートにボールを落としたくて、レシーブしたりセットしたりアタックしたりするわけで、多分コート上の全員が頑張って触ったはずのボールを、最終的に技ありなアタックで決めたのはかなりデカかった。そのせいかその後一気に5点リードまで走りました。

あと木村のサーブレシーブも今シーズンかなり良いですが、高くユッタリと返そうとしてる分、Cパスでもセカンド、サードタッチで補えるレベルなのが素晴らしい。ロンドン五輪銅メダルマッチのマッチポイントでのサーブレシーブミスは多分竹下くらいしかカバー出来ないでしょうが、今のやつなら誰でも大丈夫。

それと、石井も良かったですね。ギョズデに返すラストボールをアンダーでの場合は体勢を崩させて攻撃参加に遅らせるようにしてましたし(出来ればズッコケさせて欲しかった笑)、アタックで決まりそうにない場合もインナー打ちでギョズデに捕らせて同様の効果を得てましたよね。特に、22−16の場面で、久々に叩き込んで来たトクソイのクイックを新鍋がしっかりとディグして、宮下が繋いだボールを、石井が右を向きながらポーンとオーバーでストレート方向に不意打ち返球してポイントゲットした腹黒さは素晴らしかったです。アタックの方でも・・・一瞬の出来事なので分り難いですが、あれだけブロックアウトを取ってるのだから多分イロイロとやってるはず。ん〜・・・やっぱ注目すべき選手です。

あとは・・・とにかく全員良かったし、それを書くと、長くなるので終わりにします。

2014/08/21

ワールドグランプリ2014 決勝R ロシア戦

相変わらず描いてるシナリオがスケスケ過ぎる対戦順には苦笑するしかないですが、これまで主にアメリカに与えていた負荷を、今回はトルコに背負わせるも、そのトルコがブラジルにまさかのフルセット勝利だそう。ヘトヘトもノリノリで来るのは想定内?まだ見てませんが、強豪との対戦だけは緻密な戦略を練るバルボリーニ采配が的中したと思われます。

そして、「時差ボケが回復していない内に叩く」がお約束になってしまっているロシア戦。直前の中国戦でセンター攻撃が全くイケてなかった石田スタメンにはちょっと驚きましたが、まぁ、サーブ力を見込んだのでしょうし、それだけは期待通り、か、それ以上の働きで立派でした。実際、マッチポイントゲットですしね。

ただ、単なる個人的な好みで言うと、サーブだけ打たせてすぐ交代みたいな忙しいバレーってあまり好きじゃなくて・・・全員バレーと言えば聞こえは良いですが、1、2セット目の采配とか見ていてかなりウザかったです(笑)。「面倒だからサーブが良い順でスタメン決めろよ」と心の中で絶叫しまくり。まぁ、突然の本職MB投入はかなり効果的に見えましたが・・・・・・ブロックが・・・・。

あと、実況のアナが「中道で勝てない時期が続いた」みたいなことを言ってましたが、中道の名誉の為に言っておくと、「眞鍋さん指示の危険トスのせいで勝てなかった」が正解です。それはマカオラウンドの中国戦(Bメンバーで楽勝)で証明済み。

そして、一番気持ち良く見れた4セットも中道のお陰。木村はたぶん今シーズンで一番ミラクルでしたし、合わせられないと思ってた新鍋にも危険トスの向こう側みたいなセットで持ち味を引き出していました。14−11あたりのレフト攻撃、ヒルデブランドみたいで格好良かったですよね。結果、ディグ、サーブの質が急上昇。直前まで「バックアタックがないんだから外せよ」と心の中で毒づいていたのが、ものの10分で「流石新鍋」と心変わりさせられました(笑)。

それと、チャレンジシステムを使うまでもないくらい、相変わらず思いっきり外れることが多いバックアタックは正直何とかして欲しいですね。危険トスのせいで動体視力が狂わされてますが、もうちょい高くゆっくりで良いと思います。

2014/08/17

ワールドグランプリ2014 予選R 韓国戦

緊迫感のある良い試合でしたね。練習試合みたいなもんなんだからと自分に言い聞かせるも思わずガチガチになって観てしまいました。

勝因は色々考えられるでしょうが、リベロの筒井の頑張りが目立っていたように思います。序盤の真ん中からのヨンギョンはちょっと洒落になりませんでしたが、それ以外は3人掛かりでしつこくプレッシャーを与えてたブロックも良かったですし、抜けて来た球はかなりの確率で上げてましたよね。で、最終的には付近に打つのを敬遠されてミスらせるっていうリベロ冥利に尽きる段階にまで到達。何気にヨンギョンのサーブの調子を狂わせた張本人でもあるのカモしれません。また、マッチポイントの時に宮下が大野へのセットをミスって落ちかけたボールを透かさずカバーしてたのもナイスでした。ただ、サーブレシーブは木村がカバーしたりしてるのであんまり上手くないのカモ。

それと今大会、4セット目終盤みたいな長く続いたラリーは何故かほぼ相手に持って行かれるんですが、観てるだけでも結構なダメージなのでプレーしてる方からすれば相当でしょうね・・・。ただ、宮下の中にバテてる相手にはクイックという定石があるのか、今回もその後のレセプションアタックで大野にズバッとBクイックを叩き込ませたのは良いS臭が漂っていたと思います。同じく4セット目の木村のファーストタッチでのコート後方への押し込みによるセットポイントゲットも笑いました。俯瞰で見ててもハッとするんだから、コートにいる選手が警戒出来るわけないですよね。元々相手コートの観察力は高かったと思いますが、佐藤あり紗のトスフェイントなんかに刺激を受けたのか昨年から前にも増して不意打ちの巧さがマシマシになって来たと思います。

あと、江畑が復調して来たのは良いんですが、去年辺りから踏み切りの一歩前あたりで弾みをつけようとしてる動作がなんか変で気になります(笑)。セッターに合わせようとする意識なのであれば止めた方がいいですが、自分の中では単に走りたく無いが故の助走省略のコツ疑惑の方が強いです・・・。常に全力で助走する選手を見るのが好きなんですけど、サボり気味な選手も憎めないオーラが出てると何か気になっちゃいますし、ヨンギョンと江畑はそういった意味で自分の中では同じ一派。とりあえず今回は江畑のサボり効果率がヨンギョンを上回ったのかなと思います。



2014/08/16

ワールドグランプリ2014 予選R セルビア戦

どうやら危険トスと、それに伴う怪速バックアタック(マッハ、ジェット)は地上波デビューを待たずして香港のゴミ処理場に廃棄してくれていたようでナニヨリです。眞鍋さんが良いのはデータで駄目と分ったら固執しないところ、悪いのは半年経つと忘れているところ(笑)。バレーに飢えてる時期にも関わらず、恐怖で見返す気が全く起きない頭の5試合みたいな真夏のホラー・バレーは一部の選手以外、サヨナラでOKです。

その結果、早くも江畑が復調しました。全日本の決め球は何だかんだ言っても彼女と木村だと思います。これまで得点を量産した長岡を悪く言うつもりは全くないですが、いくら彼女がパコパコ決めようとも、速攻タイプだからか、チームを引っ張るまでにはならないっていうか・・・・どっちかと言うと見せ球で良いタイプじゃないかと。また、新鍋カウントを稼ぐ球で、山口は・・・難しいですが、釣り球ってことにしときます。で、その持ち球を、「もう荒れ球とは言わせない」覚悟の宮下が生かせるようになって来た試合でしたね(無意味な野球喩え)。

あと、普通にクイックやバックアタックが決まっただけなのに、新戦術とか言い出すアナウンサーはちょっと不味いっすね。それと、選手に変なキャッチフレーズを付ける暇があるなら、例えば、今の高田の状態とかをちゃんと取材して伝えてください。テラスハウスっぽい選手紹介の画質も・・・嫌いではないけど・・・なんか嫌っちゃ嫌。

2014/08/10

ワールドグランプリ2014 予選R タイ戦

やっと勝った・・・。地獄の5連敗で眞鍋さんが改心したのか、日本よりも低い相手に速い速いで内部崩壊しても無意味って理由での一時休息ってだけなのか、後者だったら困りますが、ようやくギリでキレずに済むバレーをし始めた気はします。

そのおかげで選手の心にユトリが生まれ、相手コートをよく見る事が出来るようになったのか、1セット目のブロック祭りは笑っちゃうくらい凄かったですね。伊達工(ハイキュー!!)の監督の「相手が取るはずだった一点を、一瞬で自分たちの一点にする。相手の心を折り、同時に味方の士気を高める最強の防御で最速の攻撃、それがブロック。」という言葉を噛み締めながら全日本の試合を見たのって初めてカモしれません。

ただ、落とした第3セットでタイが20点台に乗せたあたりから宮下が必要以上に山口を頼っていたのは、今大会の木村・江畑が危険トスで調子を落とした余波でしょうね。それ以外ではたまにネットに近かったり、何故そこでアンダー?とか、若干不安定な時間帯もありましたが、勝った時のはしゃぎっぷりを見るに手応えのある試合だったのではないでしょうか。中道から正セッターの座、奪っちゃったカモ。あっ、あと二段トスの時に、その場跳びジャンプでのアタックが増えちゃってる気がするので、そこも直して欲しいなと思いました。

それと、今シーズンからアタッカーがスロット(アタックする位置)を変えて切り込む攻撃を増やそうとしてると思うんですが、アタッカー、セッターどっちの問題なのか、今の所あんまり成功してないっすね。本格的な競技経験がないのであれですが、セッターの定位置もレフト側、ライト側にもう一つずつ作って、トルコで木村が言ってたように、たまに右向きにしてみたりすると、相手からしたらウザいチームになると思うんですが、そんなことしちゃうとサーブレシーブの負担倍増で逆にヤバくなるのかな・・・?!?今の所、新戦術とは言うものの、月バレで宮下が言っていた「相手にやられたら絶対に嫌だ」感はあまり感じないし、むしろ有り難がられてねーか?って感じなので、恐らくあるであろうプラスαに期待です。あと、4連勝希望。

2014/08/09

ワールドグランプリ2014 予選R イタリア戦

とりあえず、最初の2セットのサーブレシーブをまともに返せないっていう、昨年のWGP決勝Rの伊戦と真逆の展開に何故なったのかを考えると、勿論、キリケッラ等のサーブがキレッキレッな上に、狙い所も良かったってのが一番だとは思います。ただ、サーブレシーブをする選手に中道が(眞鍋さんの方針のせいで)気持ち良く打たせることが出来ず、ノせられてないっていう攻撃面からの影響がかなり大きいと感じました。

木村には相変わらず速くて低いトスでしたし(早く改めないと不味いので、このブログでは危険トスと呼ぶ事にします笑)、逆にその危険トス愛好家の新鍋には何故か遅くて高いっていう・・・何が何だかよく分らない状態。ただ、その危険トスを打ちこなして、昨年のWGP予選Rで決定率1位になった新鍋ですが、決勝Rでイマイチだったのは、速さのせいで打つコースが限定的だったからとも言える訳で・・・結局、新鍋がどういう選手になりたいのかによるのカモ。この辺はよくコミュニケーションを取る必要性を感じます。新戦術とやらでは、主に後衛時にセットもするわけで・・・重要だけど、基本的に美味しく無い役割が増えてるだけに、攻撃面で変なストレスを溜めさせたくないところ。

で、グダグダだった最初の2セットはともかく、3セット目からは面白かったですね。
正直、オーダーとかあまり気にして見てないのですが、たぶん久々のフロントオーダー(MB2)で若手中心によく頑張りました。

  長岡 内瀬戸 山口
  大野 石井  宮下

特に、宮下がサイコーっす!セットする選手の好みに合わせて、オーバーでもアンダーでも完璧に近いセットを供給していました。コイツはコー、アイツはアー、コイツがアーな時はコーで、アイツがコーな時はアーみたいな・・・味方の特徴をハッキリと捉えたトスワーク。サーブレシーブの安定に不安のある石井が、江畑の代わりから、木村の代わりでも、バシバシ決め、ちゃんと返球出来てたのは、宮下のおかげでもあるはず。アメリカ戦でも見受けられましたが、「老眼の眞鍋さんは無視して大丈夫」と言わんばかりに、石井にはフワッとセットしてましたよね。そして、まだ「岡山を日本一に」>「全日本を世界一に」なモチベーションなのかなと思いきや、このインタビューを読むに変わったようですし、4セット目あたりであった、「アタックがネットを超えてない?いや、ブロックアウトだろ」みたいな場面で、副審に「いやいや、テメーはちゃんと見てたよね?!」と満面の笑顔で必死に詰め寄って行ったのは何かとても素敵でした。ただ、今シーズン全てにおいて言えることですが、1セット目みたいに緊迫した場面で入るとガチガチで、ダメモト感が漂ってる時にはノビノビってのは、正直何とかして欲しいです(笑)。

あと、何だろ・・・泥酔観戦だったのでよく覚えてないですが、3、4セット目あたりのアリゲッティとかに対する山口のコミり方なんかは本職の強味を感じましたし、他の選手よりも1、2歩後ろから前進ジャンプをしてる中道のブロックの工夫は全選手が見習うべきカモと思いますが、相手アタッカーに得意なコースよりブロックが低い所を狙うって意識が以前よりも出て来てる気がするので、ブロックの重要性を再確認した試合でもありました。

とにかく、今日は「全試合それで行けよ」って感じで木村や江畑のアドレナリンが全開となる中国戦。勝つも負けるも、復調の兆しを見せて欲しいですね。ガンバー。

2014/08/03

ワールドグランプリ2014 予選ラウンド トルコ戦

あ〜・・・・。準Aチームくらいのトルコにストレート負けって・・・。実況によれば通算成績6勝4敗だそうですが、自分がある程度バレーを真面目に見出して以降、Aチームがトルコに負けたのって初めて見たカモ。だからと言って、即「糞戦術が!」と言い切る早計は避けたいですが、久々に大画面で観れて「いい加減にしろ」と言える事が一つ。そう、それは、今までごく一部の選手以外に良い事など一つもなかった、速い(が故に低くなりがちな)トスの4、5度目の復活です(呆)。

リアルでそうなってるかはともかく、「ハルカの手にボールが入った時にはもうジャンプしてる」(長岡談)・・・こーいった選手に対して、セッターが直線的な軌道でギュンとスピーディーに最高打点にセッティングってのは、そうしないと間に合わないはずなので、自分はアリと思うんですよ。セットが低くならず、アタッカーのコースの打ち分けが可能である限り、頑張って下さいって感じだし、実際に長岡は絶好調でしたね。

でも、木村や江畑といったポイントゲッターがそんな感じのセットで調子を落とし、オリンピック出場が危ぶまれたり、余裕で勝てる試合を落としたり、ってのは今まで何度も何度も経験済みじゃないですか。ブロッカーやレシーバーを見る時間的余裕がなさすぎで、たった一枚のブロックすら抜けなくなり、抜いてもトルコ・レベルのレシーバーに安々と捕られてる状態。たまに眞鍋さんがどこかの国から送り込まれて来た工作員に思える時がありますよ。

少なくとも、この二人だけは速さよりも、早さを追求するべきなんじゃないでしょうか。去年、攻撃面での主な戦術として、ファーストテンポのシンクロ攻撃(同時多発位置差攻撃)があったと思いますが、あの二人が常にガチのファーストテンポ(セットアップ前に助走を開始し、セットアップと同時くらいに踏み切る)だったかと言えば、自分にはそう見えませんでした。セッターを信じて、もうちょい早いタイミングで助走を始めるだけで(出来ればもっと長目の助走を取って高く跳ぶ)、「木村沙織の高校の先輩である」大山加奈さんが言うように、セットアップ後に動くリードブロッカーよりも相対的に早いタイミングでアタッカーが踏み切ることが出来、勝負になるわけですよね(セットはフワッと)。「非常識を常識に」って言葉の響きはカッコ良さ気ですが、常識をちゃんと試してみたかと言えば、まだなわけですし、もし常識を知らないのであれば、非常識なことも出来ないんじゃないでしょうか。

試合内容的には良い所がほとんどなかったので特に書く事も無いですが、個人的に心が折れかけたのは、第2セットの4−7の場面。ラリーが続く中、速くて低いセットのせいで、江畑のバックアタック(スコーピオンに続く新怪用語、マッハ、ジェットって一体・・・笑・・・今後の練習次第で決まるようになるなら否定しませんが、変な昭和の漫画読み過ぎなネーミング・センスは相変わらずですね・・・)が、もう今シーズンで既に2、30回ほど見たフェイントとなったわけですが、その切り返しが、やられてなくてもやり返すと言わんばかりのギョズデの全力助走バックアタックで4−8に。やられたらやり返す(同じ攻撃で)も日本人と外人のアタックの球威の差から倍返し感があるので嫌なんですけど、ヤってもいないのにヤリ返されると、何か「お前らよりもウチのチーム力の方が上」ってことを誇示されたような気分で落ちるんですよね。そのせいか、たしかそのタイムアウト明けに入った宮下がそれなりに高さのあるセットを意識してゲームの流れを変えようとするも、一気に8点差まで開きました。

また、連続失点と言えば、3セット目の7連続失点とか・・・長くなったので一旦終了しますが(笑)、多分ザルブロックのせいですね。↑のような変なバックアタックと似たような発想のクイックのせいで日本人MBのクイックが決まらずに、現状があるのだしたら、なんか皮肉的な気分になるっていうか、日本人指導者って大丈夫か?と不安になりました。とりあえず、5連敗くらいまでは我慢しますが、駄目だったらいつものよーにアッサリと捨てて欲しいですね。